【yae】様、得意の描くスタイルは水彩と油絵、アニメ塗りは勉強中(前両者にも負けない程度)。【yae】様最大の特色は「素敵な悲しみ描写」です。涙でも、哀れな顔でも、心の苦悶でも、感動的な雰囲気を作って、完璧で悲しい感情を読者に感じされます。描くテーマに関して、東方シリーズは【yae】様の好み、特に永遠亭 の住人たち、彼に主題としての作品は大勢います。
2007年12月から、【yae】様はCG絵を始めて、ホームページ「狼ト生キル」を作りました。2008年03月、Pixivで「四季映姫の苦悩とか小町の優しさとか」を発表した、【yae】様の起源作品です。これから【yae】様は次々で落書きと練習の作品を発表して、色んな活動を参加して、個人画集を出版して、商業依頼を受けて、色々の機会を取って、完成して、自分に精進します。そして描く技術もますます上手です。
そうそう、【yae】様はたまに練習絵や絵茶ログを公開して、非常に上手い下書きが中に隠します。普段あんまり登場しない東方キャラ、興味深い設定、希なギャグ絵(からごはん…?)。具体的に言えば、アトランティコ手稿 みたいな物でしょう。機会があれば、ぜひ見てください。
自身
◆簡単に自己紹介してませんか。
初めまして、【yae】と申します、「狼ト生キル」というサークルで年に一度くらいにゆっくりとしたマイペースな活動をしています。今までに画集二冊 とポスター を出しています。どちらも完売してしまいましたが基本的にはサイトやPixivで見れるものばかりです。サイトもイラストサイトというよりは、【yae】という絵の練習をしてる人が練習内容を公開しています、くらいに気楽にやっております。主に女性キャラクターと自然背景、特に夕焼けを好んで描いています。自然物は学生時代に美術部に在籍していたので油絵 を多少嗜んでいました。また機会を作って油絵もやりたいです。よろしくお願いします!
日本女性らしい響きが好きです。漢字で表記すると「八重」カタカナだと「ヤヱ」と表記していましたが【yae】に統一しました。由来ですが、八という漢字は末広がりで縁起の良い聖数 とされていて、それが重なっている人という意味です。自分に関わる人たちが幸せになれるような願いをかけています。自分の絵を見てくれた方々が幸せな気持ちになってくれると嬉しいですね。
◆貴方のホームページ、名前は「狼ト生キル」です。なぜこの名前を付けてですか?
元来は「狼ト生キル豚」というサイトでした。豚というのは自分の事です。覚えにくいので外してしまいました…狼と三匹の子豚 というお話があるのですが、よくある物語や童話で豚は弱者として描かれています。狼は群れを成す生き物なのですが群れの縄張り外からきた狼は別の群れからは追い払われるんですね。孤独な狼は旅の末、配偶者を見つけまた群れを形成していくんです。弱者の豚は孤独にも果敢に生きる狼に憧れる、狼と共に生きる。豚はその強さに憧れた、というお話を考えた末にサイト名にしました。自分を弱者に例えて高みを目指そう、という指針を掲げています。
◆貴方の看板文字は「opt your images in the air 360°view」です。この言葉はちょっと抽象ですね、もっと具体的に説明していただけませんか?
検索してすぐに分かってしまう言葉だとつまらないと思ったので。単語の雰囲気で意味はわかると思いますが、生きていく中で感じる世界、ここで言う世界は空気、温度、風、匂いなど、そういったものを敏感に自分の中に取り込もう、という意欲の現われです。ふとしたことでも、心が動かせるような題材になると思います。朝、目が覚めて窓を開けたら風が気持ちよかった。お日様の匂いがした。そういった何気ないものを絵に取り込めればいいなと思います。
◆いつ頃から描く事を目指し始めますか?このきっかけを教えてください。
2008年1月あたりから本格的に始めました。東方Project というゲームが凄く好きで、キャラクターたちの生きている世界を自分で描いてみたい、と思って描き始めています。
◆どの絵師様が貴方に一番多い影響を与えましたか?
全てを例に挙げるとキリがないのですけど…絵を始めた頃に出会った愛すべき仲間たちに一番影響を受けています。毎日毎日練習につきあってくれたりアドバイスをもらったり、感謝しても仕切れません。それは今日までも続いています。そしてこれからも尊敬とライバル心を持って接していくと思います。本当に頼もしく大好きな仲間達だと思っています。
好きだから。他に理由がなかった…!
◆一番好きなキャラは誰ですか?
東方Projectの蓬莱山輝夜 というキャラです。彼女を取り巻くキャラクター達を描きたくて絵を始めたのでとても思い入れがあります。
原作での一目ぼれが一番の理由なのですけど、原作設定から二次創作などの影響もあって自分の中で蓬莱山輝夜というキャラを掘り下げて考えていくうちにさらに好きになっていきました。なんでしょうね、人間よりも人間らしく今を大事に生きている彼女に凄く惹かれます。
◆描いていて、楽しいと思うところはどのあたりですか?
思い描いたイメージが描き出されていく様が凄く楽しいです。そのイメージには、やはり空気、温度、風、匂いなどがあって、思い悩みながらも色を乗せていくと出来上がったものには命が吹き込まれている気がします。感情が昂ぶってよく泣きながら描いてます。凄く…疲れます!基本的には筆を持っていれば楽しいのかもしれません。自分が何を描くのか楽しみだという感覚があります。自分の描いた絵は上手下手に関わらず愛着があります。と言いつつ昔の拙い絵はやはり恥ずかしく思いますが…
◆逆に、描いていて大変なところがありますか?
イメージがうまく形にならないときは本当に苦しいです。線で絵を描くという事にあまり慣れていないので油絵ではない手法、例えばアニメっぽい絵などは凄く難しいと感じます。大変ですが諦めずに最後まで描き切ろうと頑張っています。イメージを生み出すのはとても苦しいですね。それでもやはり書き終えた結果、楽しいと思えてしまいます。イメージに固執し過ぎずに、ある程度は心の余裕を持って好きに描いたほうが良い場合もあると思います。
◆なぜ貴方が猫になりたいですか?(ブログ、2010年 5月23日 )
人間という生き物を人間以外の目線で見てみたいです。きっと楽しい。猫好きなんです。犬も好きなんですけど!気ままに生きてみたいですね。猫は猫社会で大変なのかもしれませんけど(笑)
技術 ◆貴方はSAI に絵を描きますね、使った理由教えてください。
挙動の軽さと回転拡大のスムーズさが一番ですね。質感で言えばペインターのほうが魅力的だと思います。が、挙動が重いので勢いで描きたい自分には少し向いていませんでした。SAIは無料の頃から愛用させて頂いてます。素晴らしいツールですね。
◆他のソフトを使いますか?
最近コミックスタジオEX4.0を導入しました。線画はコチラのほうが綺麗に描けるようです。が、まだ慣れてないので移行には時間がかかりそうです。インテュオス4 も導入したので筆圧感値度を考慮するとSAIからペインターに移行するかもしれません。
◆貴方のスタイルは主に「水彩」、「油彩」および「アニメ塗り 」。この三者に関して、あなた自身の感想を教えてください。
絵のイメージによりますが基本的には水彩、油彩が好きです。空気感 を出しやすいと言うか。筆に絵の具を盛ってべたべたと重ねていく自分だけの色が作れるのでイメージを出しやすいですね。アニメ塗りは手法として覚えようと勉強中です。基本的にレイヤー一枚に描き込んでいくタイプなのですが、せっかくデジタルで描いているので絵の手法と呼ばれるもの全部が出来るようになりたいです。簡単に分けると水彩はイメージ優先、アニメ塗りはキャラ優先、といった感じでしょうか。
◆貴方はアナログに作業する部分がありますか?
最近は時々線画をアナログで描いています。趣味程度ですが水彩道具を持って公園で描いたりもしています。
◆一つ作品はどのくらいの時間が掛けるですか?
細部まできっちり描こうと思うと50~70時間くらいです。普段書いているクオリティであれば5~20時間くらい。時間かかってる割に筆が動いてない時間もあるので実時間はもう少し短いと思います。
◆絵を描く際、特に気をつけていることを教えてください。
細部を気にして本質を見失わないこと。あくまでも自分の為の絵を描く。その上で得られる評価を大事にしています。
◆描くことに関して、貴方の原則はなんですか?
ノンポリシーをポリシーとする。出来る限り発想を自由に。持っている技術に慢心しない。今まで積み上げたものを壊さないと見えてこないものだってあります。
◆スランプの時、貴方はどうやって抜け出しますか?
気にせず描き続けます。描いて描いてスランプを忘れるくらい描けばきっと次のステージにいけると信じて筆を走らせてます。二回ほどありましたがやはり辛いですね。乗り越えた結果、思うことはスランプ=上手くかけない箇所を無意識に上手く描こうとしているんだと思います。つまり、今まで自分の絵に違和感を感じていなかった部分に違和感を感じているということなので、見る目が肥えたんでしょう。それを乗り越えるためには徹底的に弱い箇所を克服するために練習するしかないと思います。気が付けばスランプを脱出して少しだけ成長した自分がいます。希望を捨てずに自分を信じて頑張ります。
◆貴方にとって、どの部分がまた上達するのは必要ですか?
感受性です。ふとしたことでも絵に昇華できる想像力。と、もっともらしい事を言いましたが結局は絵が好きであればいいんじゃないかなと思います。楽しいだけでは上手くなれませんが、それでも好きならばきっと描いて行けます。まず、描きたいものがあって、表現するための手段が技術だとしたら、技術を求めて練習をして、頭の中にあるイメージを正確に描きだせる練習方法を求めますから。好きだから描くという一番の原動力があればきっと上達するんじゃないでしょうか。と信じているのですがまだまだ先は長いですね。
◆これからどの描く方法を挑戦しますか?
絵の表現方法であれば全部やりたいです。ここ二年くらいはずっとデッサン力と線画を頑張っているので引き続きやろうと思います。
泣く表現 感情移入でしょうか…「泣く」ってきっと感情表現では派手なほうだと思うのですけど、人間って嬉しいときも悲しいときも、怒ったときでも泣くじゃないですか?人の心が一番激しく動くときに涙は出てくるのだと思います。「涙」をテーマにした絵は自分の感情も激しく揺れています。感情って、相手にも影響をあたえるものなので、凄くいい笑顔だと見ている人もきっと笑顔。泣いている絵も然り泣きそうになります。自分が一番心を動かされるものが「涙」なのかもしれません。
作品 輝夜35 資料用
35種類輝夜の表情、ここであります。笑いとか悲しいとか、全てがあります。最下段はちょっと…
◆ここで輝夜の表情はいっぱいですね。私に気にいたのは最下段の五つ、とでも微妙…貴方の創るお感想、教えてください。
単純に遊び心です。表情のお題を作られた方が遊びの意味で作られたと思われるので自分も力を抜いておもしろおかしくしてみました。
作品 ダチョウ倶楽部のアレ
法力、あるいは霊力が博麗霊夢の周りに洩れて、両手の中で固まりにする。髪、服、および御幣は霊力と一緒に奔竄(ほんざん)し、動的なイメージを創りました。普段は普通の少女だが、やる時の姿はとでも凛々しくて、カリスマが溢れ出ています。これこそが異変に挑む博麗の巫女、読者に感服させられました。
◆これが東方冥画録
に参加するの作品です。強く迫る力がありますし、お見事ですね。
極端な表情で絵を作りこむことばかりやってきたので、無表情だとしても心に秘めた表情を描き方を模索していた時期ですね。服のなびき方や風の向かい方など色々工夫しました。冷たい迫力のようなものが出せたと思います。それにしてもタイトル…
◆そう言えばタイトル結構変ですね、普通なら格好いい名を付けるですが…特に原因がありますでしょうか?
練習絵の延長で絵を描いていたので明確なイメージよりはギャップがあってもいいかなって思ってしまいました、気の迷いです(笑)。日本のコメディアンの有名なギャグのセリフです。やー。
右代宮楼座は娘、右代宮真里亞に抱きしめられて、共に泣き叫びます。【yae】様は泣く理由を特別に説明しません、ただゲームの同じく音楽の名を使って、読者に想像させています。ストーリーの中に、真里亞はとでも不憫な少女、楼座は不器用な母です。二人は確かに時々酷い関係、でもお互いは愛して、すまないと思って、感謝しています、これは絶対です。ここで【yae】様が二人の複雑な感情を「泣く」で示します。私にとって、もう文句には必要ない、静かにイメージを感動させて、これで十分です。 ◆貴方がこれを「うみねこイラストコンテスト」に応募して、特別賞を受けて、「フォーチュンタロットカード」の依頼を獲得しました。おめでとう。そして、Pixivに六万の閲覧数をゲット、やりますね。貴方の感想、教えてください。
イラストコンテスト用に描いたわけでは無かったのですが出来上がったときに締め切りギリギリなのを知ってせっかくだから応募させていただきました。Pixivに投稿している絵の中ではこれが一番高評価なんですね。原作「うみねこのなく頃に 」をプレイしたあと、例えばこんな未来であればいいなという想いを描きました。親子の愛は出来れば否定したくないです。断言できないのは辛いのですけどね…やはりこの絵も涙をテーマにした絵でした。許す強さであったり、許しを請う勇気であったり。人の感情は不安定で、だからこそ愛しいです。特別賞をいただいて公式グッズの一枚を描かせていただく事になりました。思い出深い一枚になりました。
作品 正しい核の使い方
霊烏路空は核の力を集めて、金色の翼を伸ばして、周囲の闇を追い払えて、至上の迫力を創りました。【yae】様のお陰で、核融合エネルギー、翼、髪、そして周りの空間、どの部分でも驚異的な線条美を着せています。核融合を操る程度の能力を持った霊烏路空、実に恐ろしい。傑出した腕前を持った【yae】様は私に感心されます。 ◆私にとって、この作品は最高の迫力を持って、私の心は強い衝撃を受けされてます。貴方の感想、教えてください。
東方のキャラを借りて社会性の強いメッセージは卑怯だと思ったのですが、やはり賛否両論でした。色々なメッセージを頂きましたが、主観によって見え方が変わる絵だと思います。自分はそもそも「正しい核の使い方」という発想自体がナンセンスだと思います。描いた本人からのアンチテーゼ です。
ある晴れた日の午後、魔理沙が博麗神社に訪れて、掃除する霊夢に脅されています。眩しい日光、空中に散る葉たち、葉の隙に照らす光、最後に傾く劇的場面、優秀な空間感を創って、読者の好奇心を喚起しました。これのお陰で、私に【yae】様の描く世界を入れました。 ◆なぜここで傾いている構図を使いますか?
意外性です。思っていた場所とは違うところから出てきた魔理沙の勢いと霊夢のびっくりした心境を考慮した結果、傾いた構図が効果的であると判断しました。というは今つけた理由で、正直なところ感覚で描いてるので理由がよく分かりません。傾けなくてもよかったかもしれません。
◆魔理沙の帽子と右足が端で切れました。普通なら全力で避けるの構図ですね。なんて貴方がこうするんですか?
最初は全身を書いて絵真ん中の階段あたりに着地するように描いていたのですが絵の情報が真ん中に集まり過ぎてるのかなと思って遠近感をだすために手前に移動しました。というのも後付けの理由です。感覚で言うと、この場所が気持ちよかったので、という感じです。結果、足と帽子が画面外に行ってしまいました。
一番気に入っている作品
2008年10月09日に描いた「世界よ終われ」という絵です。描きながら何度も何度も泣いて塗りつぶしては描きなおして、指から血がでるんじゃないかってくらい力を込めて描きました。こういう絵を描きたかったんですねー、自分でわかっていなかったのですが…この絵を描くまでは頭にあるイメージをとにかくキャンバスに叩きつけていたのですが、その後もっとイメージを明確に描きたいと欲求が生まれて、それからはしっかりと基礎を固めていこうというターニングポイントになりました。この絵を描いたが為に、今、描きたい絵を我慢してでも、いつかもっと凄い絵をかけるようになろうと練習しています。作品という点において「世界よ終われ」より後の絵はほとんどが習作という位置づけです。気持ち的にこの絵を越える絵は未だに描けていません。
最後 ◆これからの野望を教えてください。
特に野望というものは無いですが…自分が生きていく中で作品を残して生きたいなと思います。ずっと描き続ければきっと天寿を全うする頃にはもう一つの人間像が浮かび上がるほどの数になっているのではないでしょうか。自分が居なくなっても、絵の世界には細々と残り続けて、そして誰かが感動をしてくれたなら、自分はその人の心で生き続けていくと思います。例えばの話ですが、もしそうなれば幸せですね。
◆最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
これから、また道に迷ったり、落ち込んで足元を見て歩いたり、少し心が晴れて空を眺めてみたり、生きていく中で感じた事を表現し続けたいと思います。初めての方、初めまして。今まで見てくれていた方に感謝。気が向いたときに少し思い出して絵を見ていただけたらとても嬉しいです。ありがとうございました!
◆【yae】様お疲れ様です、ありがとうございます。 |