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紹介 |
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みつもと様はpixivnに活躍した絵師さん。絵柄は華麗とは言えないが、イメージは伊達じゃないですよ。特に漫画、なかなかいいプロットを持ったし、躍如としてキャラたちもある。始めて読んだ後、止められない魔力が作品に宿ります。こんな危険なものを作るなんて、凄いじゃない。絵のことはともかく、カナダに留学や就労しましたの原因で、英語はめちゃ強いなんですよ。専門はウェブ関係ですので、このページくらいのものは楽に作れますし、twitterのbotも作れました。強い!こっちのvermilionも頑張れよ、情報科学は得意なのに何も出来ませんなんて、恥を知れ!
今回のインタビューは様々の記録を更新しましたよ。本人の要求で背景や音楽や飾りつけは何もない、ちょっと不安ですが、やっぱこれがみつもと様のスタイルなんですね。それにしても、長い時間を掛けましたね。お互い様はかなり疲れたが、これのお蔭さまで、立派な内容を作れました。感心しますよ。
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インタビュー |
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2011/5/13 |
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イントロ |
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どうも。サークル「にくたまそば」のみつもとです。現在は主にpixivで東方の二次創作絵や漫画を描いております。代表作はミスティア・ローレライ×藤原妹紅カップリング漫画の「恋する夜雀」…というかほとんどこれしかありませんが ^q^ 東方以外では「はだしのゲン」の同人誌にも関わっていたり、ほそぼそとオリキャラを描いてたりします。「絵で食べてる」とはまだとても言えませんが、いちおう絵のお仕事もしていたりします。
筆名「みつもと」、意味と由来を教えてください。
本名をひらがなにしているだけです。昔は色々ハンドルネームやペンネームを考えていたんですが、どれもいまひとつだったので本名にしました。やっぱり覚えやすく間違えにくい名前が一番です。別に本名を伏せたり名前を使い分ける必要性をあまり感じませんしね。
どのきっかけで描く事を目指しますか?
絵を描くのは子供の頃から好きでした。小学生の頃からくだらない漫画を描いたり、好きな恐竜や飛行機やお城とかを描いたり…今のような絵を描き始めたのは高校生の時でしょうか。文化祭のパンフレット用に女の子のイラストを描いたのが最初だったとおもいます。ちょうど漫画やアニメなどのオタ文化に触れたのもその頃だったので、それからはどんどんオタっぽい絵を描くようになりました。でも決して熱心に描いていたとは言えませんね…。学生時代は授業中に、会社員のときは休憩時間にノートやメモの端っこに落書きする程度でした。 本格的に描き始めたのはつい最近、主に2008年にpixivをはじめてからだと思います。pixivに投稿されているいろんな方の絵や、楽しそうに交流している様子に触発されたんだとおもいます。同人誌についても、pixivを始める前に合同誌に寄稿したりすることはありましたが、個人誌を出そうと思ったのはpixivやtwitterを通じて多くの作家さんとの交流するようになってからです。
サークル名「にくたまそば」、とでも面白い名ですね!どうしてこれを選べて、サークル名になるのか?
「にくたまそば」とは広島のお好み焼きのもっともスタンダードな構成すなわち「(豚バラ)肉、卵、そば入り」の略です。お好み焼きですから、色々なトッピングを入れて楽しむことができますが、基本になるのは「にく、たま、そば」。突き抜けた 魅力や華はないけど、シンプルにまとまっていて雑味がなくおいしい…作品もそんな感じで描けたらいいな、という願いをこめて…というのは今考えた由来で、本当はただ単に広島らしいサークル名にしたかったのと、お好み焼きのにくたまそばが好きで、なんとなく響きがよかったからです ^q^
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作る手続き:イラスト |
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特にこれといって決まった描き方をしてないのですが、今回はちょっと頑張ったほうの絵を紹介させていただきます。
1. 下書きをします。下書きでは雰囲気がわかる程度にとどめておき、細かい描き込みはしません。
2. 1枚のレイヤー上でざっくりと色を乗せてイメージを固めます。「着色の下書き」といったところでしょうか。
3. 下書きに基づいてガシガシ塗ります。使うツールは絵によってまちまちですが、この絵ではSAIの平筆を使用しました。普通はこの前にペン入れをするのですが、今回は主線なしなので省略しました。
4. 色を微調整したり効果を加えたりして、完成です。
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作る手続き:漫画 |
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1. 下書きをします。
2. ペン入れとベタを入れます。最も神経を使う工程です。正直苦手です…。また、もこみす漫画は動画への流用を考えて、フキダシで隠れる部分も全部描いています。頑張って描いた背景とかが隠れてしまうと地味に辛いですね…。
3. 白黒の濃淡で色らしきものを乗せます。だいたい4階調くらいしか使いません。
4. 最後にオーバーレイで色をつけます。
屋台のシーンなら暖色系、夜の屋外なら濃い青など、場面の雰囲気にあったも一色を選びます。グレーのままでもいいのですが、これをするのとしないとでは雰囲気が全然違います。
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技術 |
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描く技術はどこで勉強しましたか?
基本的に全部独学と試行錯誤です。独学というか見よう見まねといか…昔は「○○の描き方」みたいな本を買ったりしましたが、レベルが高すぎてすぐ本棚にしまってしまいました。ちゃんとした絵の勉強はしたいですね。デッサンとか色彩とか。誰か教えてください…^q^
一つ作品はどのくらいの時間で仕上げていますか?
一枚絵であれば、一日以上かけることは滅多にありません。描いてる途中に一回寝てしまったりすると、翌朝起きて見たら描き直したくなってしまってキリがないので…。漫画はボリュームや締め切りなど状況によってまちまちですが、もこみす漫画一話分であれば、ネームと下書きに半日、ペン入れ以降の仕上げに1日といったところでしょうか。漫画はもっと早く、逆に一枚絵はもっとじっくり時間をかけて描けるようになりたいです…。
描いていて、楽しいと思うところはどのあたりですか?
いい表情、しぐさ、構図などがかけた時は楽しくなります。また、次の話に少し関係しますが、ラフを描いている時は楽しいです。個人的にきっちり描き込まれた絵よりもラフっぽい絵のほうが好きなんです。描くのも見るのも。本当にその人らしさが出るというか…言葉で表すのは難しいですが。
大変なところがありますか?
私にとって絵を描くというのはほとんど苦行のようなものです。いつもいい絵が描けるとは限りません。納得のいく絵が描けないときは無能感に支配されてしまい非常に辛いです。細かい作業でいうとペン入れと彩色が苦手です。つまりラフ以降の作業です。絵描きとしてそれはどうなんでしょうね…。
これからどの技術を挑戦したいですか?
「ラフっぽいのが好き」と言いつつも、やぱりもっと完成度の高い絵を描けるようになりたいというのはありますね。また、水彩や色鉛筆などのアナログ画材にも挑戦したいです。私は今もっぱらデジタルで描いていますが、見る分にはアナログの絵のほうが好きです。温かみがあるというか…自分でも描けたらなあと常々思っています。
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恋する夜雀 |
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これが代表シリーズだけじゃなく、ミスティアさんを全世界の読者(!)に具現する作品一つですね。
「 夜雀の淡い恋」のキャプションのとおり、まったくの思いつきでした。そこからどんどん話が膨らんでいって、描いてるうちにキャラが勝手に動きだして今に至るという感じでしょうか。それまで妹紅にもミスティアにもたいして思い入れはなかったのですが、今ではもちろん最も好きなキャラクターとして自分の中で不動の地位を築いてしまいました。
プロットの作る経緯は?
断片的に描きたいシーンがまずあって、その間を話でつなげていきます…と言っても実際は割と行き当たりばったりでした ^q^ 特に「その5」から「その6」の展開なんて「 東方産卵テロ」があったからああなったようなものです(笑) プロットもおおまかには書いたのですが、最終的にセリフとかが決まるのは各話のネームの段階です。最初に絵ありきと言いますか、キャラクターの動きや表情があってはじめてセリフなどが決まる感じです。ただ、あまりにも行き当たりばったり過ぎて途中矛盾が出て来たりしたので、今度からはもう少しちゃんとしたプロットを書いてから漫画を描き始めるようにしたいです。
作るとき、特に困難なことがありますか?
なんといっても話が出なかったりまとまらなかったりするときですね…。ネタがなくて困るということはなく、たいていネタがありすぎて困っていました。「こういう展開もいい、でもこの展開も捨てがたい…いや、何か別の展開がいいかも?」という感じで。絵を描くのも大変でした。舞台がほとんど鰻屋台の中や周辺で変化がないうえ、コマ割がないので、下手をすると絵が単調になってしまいます。その気になればずっと同じ絵で話を進めることだってできるのですから。それを回避するために無理矢理アングルを変えたり被らない構図をひねり出すのに毎回苦労しました。途中からしんどくなってコマの大きさを変えたりしはじめちゃいましたけどね…^q^
妹紅の早とちりです。「慧音がみすちーの存在そのものをなかったことにするんじゃ…?」って思ったんでしょうね。妹紅の中で慧音は一体どんな人物なのでしょうか?(笑) それを考えるのもまた楽しいです。
こんな立派なシリーズを見せてくれてありがとうね!
とりあえず完結させてしまったので、当分漫画として新しい展開はないと思います。もちろん「恋する夜雀」の完結はひとつの区切りであって、これで終わりではありません。今やっと妹紅とミスティアの新しい人生(?)が始まるといっても過言ではありませんよ!めでたく結ばれて幸せな日々を送ることになるのか、それともまたひと悶着あるのか…少しネタバレすると、妹紅というキャラクターを描くうえで欠かせない人物がまだ登場してませんよね。あと未回収の伏線が色々と…。ただ、なんとなく次はもこみすじゃない話を描きたいなと思っているので、もこみすは温めつつ、次の話を描いていきたいです。
初めての漫画シリーズを作った感想は?
一人ではここまでできなかったと思います。皆様の応援に励まされて続けらることができました。本当に感謝しております。あとは、最初から印刷用に描いておくべきだった、これにつきますね…^q^
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世話焼きさん |
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世話焼きさん実にいいね!何の機会で彼女に誕生させますか?
Twitterにすっかりハマってしまって、起きてる間は常にクライアントを起動させてるような状態になったとき、つぶやきを追うだけじゃなくて何か別の事にも活用できるんじゃないかと思うようになりました。クライアントを使っていると、自分への返信がほぼリアルタイムで通知されます。この性質を使えば、時間と予定を教えておけばそれを覚えてくれて時間になったら返信で教えてくれるというようなbotを作れるのでは、ということで作り始めました。ちょうど既存のおもしろいbot達に触発されて自分でも何かbotを作ってみたかったのもありましたし。キャラクターとしては、オリキャラなので自分が一番好きな外見と、小さな女の子なのにお姉さんぶってて世話焼きというギャップ萌え…そして広島弁とお好み焼き…ええ、自分が好きな要素を詰め込んだだけです(笑)
作るとき、特に困難なことがありますか?
PHPプログラミングは多少の心得がありましたし、TwitterAPIと通信を行うコア部分は優れたライブラリがあったので、基本的なbotの動きはわりとすぐにできました。botはすでに多くの方が開発されていたので資料やアドバイスも豊富にありました。しかし、リマインダーとして肝心な自然言語処理や日付計算処理の部分は資料が少なく、ない知恵を絞って試行錯誤しながら実装していったという感じです。なんとか形になってからは今度はTwitterの仕様による制限に頭を悩まされました。リマインダーという性質上どうしてもツイートが多くなります。そうなるとあっという間にツイート数の上限に達してしまい、ペナルティとして一定時間ツイートできなくなります。そうなるとリマインダーとしての役目は果たせなくなってしまいます。仕様書を読み漁ったり上限を引き上げてもらえないかTwitter社にかけあったりしましたが、結局これはどうにもならず、ツイート量や間隔を調整してなんとかだましだましやっているのが現状です。そして一番の問題は原稿をはじめ色々他にもやることがあってbotの開発に割ける時間が取れないことですかね…新バージョン開発再開の目処も立っていない状況です…^q^
新バージョンの世話焼きさんはどのような素晴らしい機能を身に付けますか、知らせてくれませんか。
もっと便利にかしこくしたいです。長い間テスト運用してきて、ユーザーの方がどんな話しかけ方をするか、また世話焼きさんがどんな時にどんな間違いをするかというデータが蓄積されてきたので、それを活かして認識精度の向上を図りたいです。あとは機能の追加ですね。「毎週○曜日に○○する」といったタスクのリピート機能や、占いとか天気予報といったおまけ機能、それからユーザーとのやりとりで好感度を増減させてもっと人間くさい反応をさせるとか…もっと使いやすく、便利で親しまれるbotにしていきたいと考えています。
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夜に歌う |
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今まで一番綺麗なミスティアさんはここにありですね!
「 幻想酒宴」というカード/アプリ合同企画用に描いたものです。参加されていた他の絵描きさん達の絵がどれも綺麗で見応えのあるものだったので、自分だけてきとうに描くわけのはいかないなという無言のプレッシャーを受けて頑張って描きました。
優れたイメージ、幻想郷の歌姫にとって適した姿ですね。構図の設計経緯は?
ミスティアを描いて欲しいというご依頼だったのですが、「原作から大きくかけ離れた服装アレンジはダメ」という条件付きだったので、いつも描いているおかみすちーではなく、原作通りの歌う妖怪、幼い見た目ながら禍々しく強大な力を持つ感じに描こうと思いました。
困難なことがあるの?
あまりこういう路線の絵を描かないのですべてにおいて難しかったです。特に色選びとか…。
感想、ぜひ知らせて!
自分なりに頑張って一般的な東方らしい綺麗で幻想的なイラストを目指したので、それなりに見栄えのする絵にはなったと思いますが、自分としてはあまり好きな路線ではありませんし、自分の持ち味を活かせていないと思います。この絵をぱっと見てみつもとの絵だってわかる人はあまりいないのではないでしょうかね…今から思えば、空気を読まずにもっと自分路線の絵を描けばよかったのかも、なんて思ったりもします^q^
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メリークリスマスおかみさん! |
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好きな女の子を泣かせたいいじめっ子的な発想です。
素敵な部屋とフライドチキン、この両者の写真のこと、ぜひ説明してください。
素敵な部屋と立派なクリスマスツリーはカナダに留学していた時のホームステイ先で撮影したものを使わせていただきました。向こうのクリスマスは気合の入れ方が日本とは比べ物になりませんね…。フライドチキンは近場のK○Cで食べたものです。クリスマスにひとりぼっちでこんなことやってるなんてどうかしてるとは思いますが、あの時期は頭がどうかなるほど辛いんですよ…ほら、メディアの煽りとかがね…^q^
作品アンケートもすごいです!どうしてこのようなアンケートですか?
とくに何も考えていません。せっかくアンケート機能があるんだから使いたいな、と思っただけです(笑)
アンケートのせいで、タグ『鬼畜』を付けました、やれやれですね。
愛ですよ!
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妹紅炭 |
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東方椰麟祭に登場したもの『妹紅炭』、良い発想じゃないか、やるな。
竹林に住む妹紅が持ち前の能力を活かして(?)焼いている竹炭という設定で「恋する夜雀」に登場する妹紅炭ですが、冗談半分で作ってみたいなあという話をしていたら、 広島オタクマップさんが後押ししてくれて、広島の東方椰麟祭で出そうということになり、あれよあれよという間に話が進んでしまったという感じです。まさか本当にやるとは思いませんでした…^q^
ファンたちはタグ『 プロが犯行』を付けるらしいね、これに対しての見解は?
あながち間違いではないと思います(笑) 妹紅炭は多くのその道のプロ達の協力によって実現したのですから。関係者の中で素人は私くらいのものでしたよ…。
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知恵 |
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どうやって時間を作って、絵を描きますか?
同人系の絵は気が向いた時に描いています。でもうっかり何日も絵を描かないとすぐ感覚が鈍ってしまうので、あまりブランクを置かないようには気をつけています。あとは、お仕事や依頼された絵に煮詰まった時に気分転換に描いてしまうとか…
描く仕事中のリラックス法がありますか?
上の回答と少しかぶりますが、仕事で絵を描いているときに煮詰まったりしたら全然違う絵を描いたりして気分転換をはかります。現実逃避とも言いますね。
スランプの時はどうやって抜け出しますか?
最近は安定してきたためスランプらしいスランプには陥らなくなってきました。昔はよくスランプ状態になってそのたびに辛い思いをしました。私にとってスランプというのは「成長痛」みたいなものだと思っています。だから寝てれば治る。というわけでスランプに陥ったら無理に描こうとせずにしばらくペンを置くことにしています。仕事や同人の締め切りがある今はそうも言っていられないかもしれませんが…
絵を描く際、特に気をつけていることを教えてください。
まだまだ下手っぴなので気をつける点や改善すべきとこだらけですが、線が硬くならない様には心がけています。「柔らかく流れるような線」と「雑な線」というのは違うものであるべきだとは思いますが、現状ではただの雑な線なのでそこは要改善です…。あと、効果音や効果線にはできるだけ頼らずに場の雰囲気やキャラの躍動感を表現するようにしています。
描いているのは主に空想の世界の絵や漫画ですが、その中でも「日常」や「どこにでもありそうな、でも見なくなった懐かしげな風景」とかを描いていきたいと思っています。たとえば東方の世界だと、原作でゲームになっている舞台は異変、つまり「非日常」であり、弾幕ごっこをしてない時の「日常」もまたあると思うんです。その日常の部分を妄想して描いている感じですね。たまには派手な戦闘シーンを描きたくなることもありますが。あとはさりげない色気とかですかね…うなじとかふとももとか… ^q^
もし依頼要求が原則に損害するなら、対応は如何でしょう?
ご依頼を選べる立場ではないのですが、自分の作風にあっていないものについては基本的にはお断りさせていただいております。線を描いて色を塗ればそれでいいというわけじゃなく、雰囲気や世界観も含めて自分の作品ですから、それが依頼主様の求めているものにそぐわない場合はいたしかたありません。
なんの手法で作品のイメージを伝えますか?
絵描きですから、絵または漫画だけで完結できるようには心がけています。わかりやすさというか、解説文を添えないと何を表現しているのかわからないような絵は描きたくないなと。前述の「効果音や効果線をあえて使わない」というのもその一環なんですが…使わないことによってかえって分かりにくくなってしまうこともあって、難しいところです。究極はセリフすら要らないくらいにしたいです(笑)
どんなふうに感受性を身に着けますか?
わかりません。私が教えて欲しいです(笑) 強いて言えば、写真を撮るのは絵を描くうえで役に立つと思います。光のあたり具合や影のでき方など、基本的なことが身につきますし、構図力が鍛えられます。
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世間話 |
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作業環境、皆に見せてくれませんか。
基本的に最初から最後までデジタル作業なので机の上にあるのはパソコン一式とタブレットくらいのものです。筆文字などをアナログで用意する時は机のすみっこで作業します。
一番好きなキャラは誰?
もちろん、東方ではみすちーことミスティアちゃんです。東方絵を描き始めた当初は普通に主人公の霊夢と魔理沙が好きだったんですが、ふとした思いつきで「恋する夜雀」を描き始めてどんどんみすちーが好きになりました。特にヤツメウナギ屋の「おかみすちー」は最高です。ひとりで屋台を切り盛りする 小さな妖怪の女の子…たまりません ^q^ 他のほとんどの人間や妖怪たちが弾幕ごっこ以外の日常で何をやっているかよくわかっていない中で、理由はどうあれちゃんと仕事をしているというのがすごく健気で魅力的に感じています。もちろん妹紅や慧音、霊夢や魔理沙もそれぞれ個性や深みがあって好きです。生い立ちや裏設定などの背景が充実(?)しているキャラが好きなんだと思いますね。
どの絵師様が一番多く影響を与えましたか?
手塚治虫先生やスタジオジブリの宮崎駿監督、それから同じ地元出身で「 夕凪の街/桜の国」で有名な こうの史代先生などの影響を受けていると思います。 大御所中の大御所ですね。「影響を受けた」というのもはばかられるくらいです。どの先生の描かれるキャラクターも表情やしぐさが非常に魅力的なんです。今にも動き出しそうな躍動感、まるで実在しているかのようなリアルな生活感…そういった魅力を自分でも出せたらなあと思っています。実は漫画やアニメはあまり見ていないので、いちばん影響を受けているのはpixivやTwitterで知り合った絵描きさん達からかもしれません。すごく影響されやすいので、「具体的に誰から」というのは挙げればキリがありません…。
具体的に『和服みすちー推進委員会』のことを紹介してください。
和服みすちー推進委員会は2008年3月16日に トリノネさんの投稿されたイラストに端を発します。今となってはおなじみになったあの和服姿のみすちーに多くの絵師達が魅了され、会員は続々と増えていきました。私もその一人でしたが、私が初めてトリノネさんスタイルを踏襲した和服みすちーを描いたのは2009年の3月、和服みすちー推進委員会発足から1年後でした。今でこそ「おかみすちーといえばみつもと」と言われることがありますが、実は和服みすちー推進委員会としては新参者なのです。定着してしまったのは「恋する夜雀」の連載でずっと和服みすちーを描き続けたためでしょうね。「推進」という名前がついていますが、ただ好きで描いているだけですし、「委員会」といっても組織的に何かやっているわけでも、入会が必要なわけでもありません。「和服みすちーを描きたい」と思った瞬間にもう和服みすちー推進委員会の一員なのです。
Pixivの自己紹介で『女の子とか渋いおっさんとか小鳥とかが好きです』と言いました。女の子と小鳥はなんとなく理解できますが、なぜ「渋いおっさん」が含めるのか?
なぜ?と聞かれても難しいですね…いいじゃないですか渋いおっさん…私も渋いおっさんになりたいからかもしれません。おっさんを描く場合だと、特徴をつけやすいところが好きなのかもしれません。女の子なら「美形」に収まる範囲で特徴をつけるのはかなり難しいですが、おっさんならどう描いても「味」が出ます。「おっさん+女の子」という組み合わせも大好物です。
偶々R-18作品を作りましたね(きゃ!)。どの着想でこのようなドキドキ作品を作りますか?
着想も何も、私の頭の中はほぼ常にR-18でいっぱいです ^q^ あまり描かないのは、R-18に相当する絵は難しいからです。
ブックマークされる作品の中にタグ『 けしからん』があるのは多いね…これを闡明するのは如何でしょう?
けしからん絵を集めてるだけです。性的趣向がバレバレですね^q^
カナダに留学と就労していました。この経緯を知らせていただけませんか。
私はもともと大阪でIT関連の技術者をしておりました。そのときに英語の必要性を痛感したのです。プログラミング言語は英語が元になっていますし、新しい技術や仕様は英語で入ってくる場合がほとんどです。プレゼンテーションや取引に必要なこともあります。中学、高校と英語をまじめに勉強しなかったコンプレックスもあり、なんとか英語をものにしたいと思いました。しかし日々の仕事が忙しく勉強する時間は限られていて、同時に仕事に行き詰まりを感じていたのもあって、逃げるように日本を離れたのが実情です。「逃げるように」と言っても真剣に英語の勉強はするつもりでした。やるからには徹底的に、英語なしでは生活できないくらいの環境に身を置こうということでなるべく日本人のいなさそうなカナダの東海岸の小さな町の語学学校に留学しました。それから学校に通ったりボランティアに参加したりしながら1年ほど過ごし、さらに「使える」英語をものにすべく、今度は就職活動のすえ西海岸の田舎町で仕事にありつきました。仕事では当然現地の同僚やお客さんと直接やりとりするので、語学学校で勉強するのとは比較にならないほど上達したと思います。カナダは実にいいところでした。英語が満足に使えるようになったことで生活は安定していたし、仕事もそこそこ楽しかった。でも、やはり日本が恋しくなったのです。前述の広島の話でもそうでしたが、離れてはじめて見えてくる良さというのがあるものです。絵や同人の文化もそのひとつです。カナダにはそういったものはほとんどありませんでした。いくらインターネットのおかげで海外からpixivに絵を投稿できたり、Twitterで日本の絵描き仲間と交流できるとはいえ、やはり蚊帳の外というか、どこか物足りなく、寂しかったのです。「英語をものにする」という当初の目標は満足のいく程度には達成したことだし、そろそろいいかと思い、2年近く勤めてた会社を退職し、晴れて(?)再び日本の土を踏みました。カナダや帰国の途中に立ち寄ったヨーロッパ諸国では、言葉だけではなく本当にたくさんのことを学びました。見聞を広めることができただけではなく、母国のことを客観的に見つめなおすことができたのが何より大きな収穫だったと思います。
ご趣味の一つはカラオケですね。どうしてカラオケが好きですか?
歌を歌うのも子供のころから好きです。実家の風呂場が母屋から少し離れていたため、家族に聞かれないと思って風呂に入るたびに思いっきり 声を張り上げて歌っていました。とくに70年代~90年代のアニソンやヒーロー物が好きで、今でもオタ同士でカラオケに行くとよく歌います。70年代のアニメや特撮なんて私が産まれる前のものですから、当然リアルタイムで見ていたわけではないのですが、歌そのものにとても魅力を感じます。前向きで力強い元気な歌が多いからかもしれません。何度アニソンに勇気付られたことか…。
発言と投稿した作品の内容で広島県に対して、深い感情を身に着けますね。
広島県っていうと広すぎますし、行ったことのない地域も多いので広島市に関しての回答をさせていただきます。広島は私のふるさとです。出生地ではないんですが、主に子供時代を過ごしたのも実家があるのも広島なので「広島出身」としています。誰でも故郷には特別な思い入れがあると思いますが、それに加えて客観的に見て広島市はすばらしい都市だと思います。私は国内外の色んな都市を見てきましたが、広島市ほど暮らしやすい都市はないと思います。コンパクトにまとまった都心は徒歩だけでまわれます。複雑怪奇な交通システムもありません。そこそこの都会でありながら、街を流れる多くの川のおかげでビル街の息苦しさを感じることはありませんし、大部分の川沿いは遊歩道が整備されており、風情のある石垣の護岸と緑、多くの野鳥の声や姿を楽しみながら散策することができます。川のある風景は広島の一番好きなところです。川だけではなく海や山も都心から近いので、自然をとても身近に感じます。都会の便利さと自然の豊かさを高い次元で両立していると言えるのではないでしょうか。広島を出て一人暮らしを始めるまではこんな環境が当たり前だと思っていましたが、他の町に住んだり訪れたりすると「広島は特別なんだなあ」と思わされます。観光地としての魅力はそれほどあるわけではありませんが、住めばきっと好きになる、広島はそんな街だと思います。
twitpicで「お好み焼き」の写真がよく出ましたね、美味そう!これがお好きな食べ物でしょうか。
そうです。これこそ広島人のソウルフードです。広島ではそこらじゅうにお好み焼きのお店があり、市内だけでも2千軒以上あるとされています。昔はほぼ毎日食べ歩いていました。訪れたお店の数は200軒はくだらないでしょう。お店に行くだけでは飽き足らず、自分で焼いたりもします。ただ、最近は胃腸が弱って脂ものを受け付けなくなったせいで一枚食べきるのがやっとなのであまり行きません。それに決して安い食べ物ではありませんしね…。
「羽ビンタ」の図案ではありませんが、立体物の制作の話は出ていたりします。ある日私がTwitterで冗談半分で「 もしおかみすちーのね○どろいどがあったらこんな感じかな」と落書きをアップしたら立体物を作っていらっしゃる方から「作りたい」というありがたい申し出がありまして…。立体物は長年の夢で、まさか本当に作っていただけることになるとは思ってもいなかったので、それこそ本当に夢でも見ているんじゃないかと思いました。というわけでおかみすちーフィギュアが実現するのもそう遠い話ではないかもしれません。量産化はないと思いますが(笑)
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最後 |
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絵師になって、一番うれしかったことはなんですか?
絵師になってからというより、pixivを初めてからですが、絵描き仲間が増えたことですかね。それまで周りにほとんど絵を描く人がいなかったので、色んな絵描きの方と交流を持てるようになったのが一番嬉しいことです。
私の場合、絵を描きたいから描くんじゃなくて、描きたいものがあるから描くといった感じです。目的ではなく手段として。たくさんある表現手法の中で、目に見える「絵」が私にとって最も分かりやすいから絵を描いているにすぎません。絵よりも分かりやすいものに「映像」がありますが、こちらは手間がかかりすぎるので今のところはパスしています…いずれは挑戦してみたい分野ではありますが ^q^
野望を教えてください。
もっと良い絵や漫画を描いたり、同人誌を出したりしたいです。あとは他のメディアにも手を出してみたいなあとは思います。動画とかゲームとか。二次創作だけではなくオリジナルにも挑戦したいですね。とにかく、絵や漫画を描いて楽しめればそれに越したことはありません。あとは地元広島での活動といいますか、地元のイベンターや企業の方々と連携して地域の活性化に貢献できればなあ、なんて大それたことを思っていたりします ^q^
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。まだまだ未熟者ですが、今後とも見守っていただけると嬉しいです。それでは!
みつもと様お疲れ様です。ありがとうございました。
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