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小梅けいと |
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小梅けいとの原典皆既 |
小梅けいと先生、漫画家、イラストレーター、今東京都在住です。デビュー作品
「猫遊戯」がCOMIC快楽天で発表し、第7回の快楽天新人漫画王賞を獲得しました。その後、小梅先生は快楽天の執筆作家になります。2007年、漫画作品「狼と香辛料」が雑誌「電撃「マ)王」で連載します。
普段は「あねこの手帖」の名義で同人活動に参加して、ゲームの原画を担任して、イラストの依頼を受けています。小梅先生は多作する作家じゃありませんが、作品の範囲は広くて、表現もすごく優秀です。 |
vermilion:小梅先生のPN「小梅けいと」の由来を教えてください。
小梅先生:商業誌デビューの際に、ワニマガジンの編集者さんと相談してつけた名前です。京都から持ち込みに来たので「けいと」←「京人」。
vermilion:なるほど、こういう経緯がありますか。そう言えば台湾の読者の皆さん、最初は小梅先生の漫画『狼と香辛料』を読んだ後、「小梅先生はきっとホロみたいな美少女漫画家です」と言いましたね。だって「小梅」の中国語意味は「小さい梅」、女っぽいですから。
小梅先生:そうですか~男ですみません(汗)。
vermilion:平均的な一日のスケジュールを教えてください。
小梅先生:締め切り直前と平常時でだいぶ違います。締め切り前は起床してから寝るまで、ほぼ机に向かって絵を描いています。16時間くらいは働いてるかも…睡眠は4~6時間になります。うまくリズムが出来ると、眠気とかはないです。疲れますが。
vermilion:うわ~凄く大変な一日ですね、お疲れ様です。
小梅先生:寿命は縮んでますよ(笑)。
vermilion:仕事中のリラックス法はありますか?
小梅先生:ラジオを聞いたり、テレビの音声を聞いたり、とにかく人の声や音楽を流すことでしょうか。基本的に寂しがり屋なので、人の声がしてると安心します。ON、OFFの切り替えがはっきりしてることも大事かもしれないですね。忙しくても、散歩にでたりすることもあります。30分くらい外の空気を吸って、リフレッシュします。
vermilion:友達と一緒に散歩しますか?
小梅先生:アシスタントさんと一緒にいくこともありますね。
vermilion:描いていて、楽しいと思うところはどのあたりですか?
小梅先生:漫画の作業だと、下書きという工程の時が一番楽しいです。絵そのものだと、女性のあごのライン、胸のラインなどの魅力的な部分を上手く描けている時が楽しいですね。
vermilion:胸のラインですか、ドキドキです。
小梅先生:漫画の背景の下書きで、凝ったパースの絵を上手く描けているときにもテンションが上がります。
vermilion:なるほど。逆に、描いていて大変なところはありますか?ネームとか、プロットとか。
小梅先生:ネームは本当に大変です。楽しいですが、同時に苦しいです(汗) 漫画の作画作業で一番頭を使う処ですから。知恵熱が出るので冷えピタをおでこに貼って作業します(笑)。
vermilion:冷えピタ?
小梅先生:おでこの熱を冷やす専用の湿布です、すごく気持ちいいですよ。日本ではコンビニに置いてます。
vermilion:なるほど。お説明ありがとう。
vermilion:同人誌を含めて、今まで描いてきたキャラクターの中で、特に思い入れがあるのは誰ですか?
小梅先生:同人誌だと、「クレヨン王国」というアニメの「シルバー王女」でしょうか。
vermilion:どうして彼女なんですか?理由があればお願いします。
小梅先生:「シルバー王女」は漫画的なデフォルメにおける「可愛らしさ」を突き詰めたデザインだと感じているからです。ひよこのインプリンティングみたいなものなので、理由は難しいです(笑)。
vermilion:商業誌のほうでは誰ですか?
小梅先生:商業誌だとやはり「狼と香辛料」の「ホロ」になります。「ホロ」は人物の性格の持つ深み、魅力を常に意識させる力があると思います。まさに「ヒロイン」ですね。
vermilion:ホロは特別な魅力がありますね。
vermilion:作品を発表したあと、何が気になりますか?
小梅先生:次の作品の「締め切り」でしょうか。すみません(汗) でも、次の作品にもう心がいってるのは確かです。デビューしたての頃は読者さんのが反応気になってましたが、現在はとにかく頑張るだけです。今後の参考のために、ネットで感想を探すことはありますが。
vermilion:読者の反応についてはどうですか?
小梅先生:もちろん感謝はあります。読んでくださってありがとうございます。
vermilion:漫画家になって一番うれしかったこと、そしてよかったこと、一言で教えてください。
小梅先生:台湾に呼んでいただけたことは、本当にうれしいことでした。このようにいろんな人と作品を通じて繋がれることでしょうか。
vermilion:小梅先生は主にPhotoshopを使います。どうしてPhotoshopを選んでいるのでしょうか?
小梅先生:使い慣れている、というところです。コミックスタジオも使ってみようと勉強しています。
vermilion: SAIとか使いしましたか?
小梅先生:SAIもいいですね。何度かイラストのペン入れで使用しました。その他SketchBook Proというツールをイラストの線画で使ってます。
vermilion:他のソフトも一緒に使うのですね。
小梅先生:そうです。
vermilion:パソコンを使うデジタルの描き方と、原稿用紙にペンで描くアナログの描き方。今やこの二つは主要な漫画の作画方法になっています。小梅先生はどちらで描いてますか?
小梅先生:漫画の場合は、ペン入れ(主線)まではアナログで作業しています。ペン入れした原稿用紙をスキャニングしてデジタルで仕上げます。イラストの場合では「タブレットPCでラフ~線画」→「デスクトップPC+Photoshopで彩色」という流れです、オールデジタルですね。
vermilion:一つのイラストはどのくらいの時間で仕上げていますか?
小梅先生:ラフで1~2時間、線画で2~4時間、彩色で2~8時間くらいでしょうか。最近遅くなってます(汗)。
vermilion:優秀な作品は時間を掛かりますからね。
小梅先生:ありがとうございます。
vermilion:絵を描く際、特に気をつけていることを教えてください。
小梅先生:イラストの主題、見る人に届けたい情報、を意識することでしょうか。美少女のピンナップだと、表情の可愛らしさとかシチュエーション? 瞳は大事ですね。
vermilion:瞳はキャラの精神ですね。
小梅先生:デッサンがうまく行くかどうかは普段の仕事の堅実な積み重ねなので、当然意識はしてます。まだ下手ですけど…
vermilion:ご謙遜を。
vermilion:小梅先生にとって、絵を描く時の原則はなんですか?
小梅先生:心理的な原則だと、「やり直しを恐れない」ことでしょうか。技術的な事だと「線のストロークは長くする…」とか。細かい原則はたくさんあります(汗)。
vermilion:この前、小梅先生は「常にイデアにある女の子を描きたい」と言いました、これも小梅先生の主張一つですね。ネコミミやネコしっぽ、これらも小梅先生のイデアでしょうか。
小梅先生:そうですね。電撃さんのインタヴューですね、読んでくださってありがとうございます。
vermilion:小梅先生は中世のような雰囲気が出るため、鉛筆で線を描いています。この試みは成功し、作品にいいスタイルを与えました。これからまた他のスタイルに挑戦しますか?
小梅先生:チャンスが有ればやってみたいですね(笑)。
vermilion:一番気に入ったスタイル、一番挑戦してみたいスタイルなどを教えたくれませんか?
小梅先生:鉛筆のタッチはまだ研究中です。挑戦したいものだと、3Dポリゴンを使った漫画に興味がありますね。漫画に限らず、動画とか興味がありまして…「初音ミク」とかご存じですか?
vermilion:もちろんです!こちらでも有名です、ミクちゃん大好きです。
小梅先生:一度PVを作ってみたいです。
vermilion:もし完成があったら、ぜひ見せてくださいね。
小梅先生:はい(笑)。
vermilion:『花粉少女』シリーズについて、凄く大勢な人々があんな事をしています。他の漫画に比べると、これはよくあるプロットではありません。どうしてこのような壮大なプロットを選んだのですか?
小梅先生:「花粉少女」はページ数では8Pと短い作品です。短い中でインパクトを読者に与えるには…という発想ですね。あとは、単純に大勢での描写が楽しいからかも…(汗)
vermilion:ははは、なるほどね。
vermilion:小梅先生は成年向作品の経験があります。この経験は一般向作品を描くにあたって、役立つことがありましたか?
小梅先生:個人的には成年向け漫画のキャリアと、一般向けの漫画の質とは関係はないと思います。ジャンルに限らず「常に絵を描いている」というのが一番大事かも。
vermilion:そうなんですか。最初はその経験が役立つことがあったはずかと思いましたが、ちょっと意外ですね。
vermilion:3Dソフトを使って、背景や群衆を作成する。現在、この方法は流行ってきています(例えば赤松先生の作品『魔法先生ネギま!』)。この件について、小梅先生のご意見を教えてください。
小梅先生:いま、商業漫画の背景の作画は非常に発達しています。何らかの手法で省力化を図らないと作家はいろいろな意味で疲弊してしまうでしょう。なので3Dの導入には賛成です。作品の予算がある程度大きくないと不可能ですけどね、導入にとてもお金がかかりますから。
vermilion:金は問題の一つですね。
小梅先生:全人類の問題ですね。
vermilion:でも、小梅先生の手で描いた背景や群衆は大変素晴らしいです。もし3Dソフトを使ったら、雰囲気は全然違いますね。
小梅先生:たしかに、作品によって向き不向きはありますね。
vermilion:改編の作品について、一つ困難なことは「同じストーリ、同じキャラ、そして同じ世界観を使って、読者に興味を起こさせる」ことです。しかし小梅先生は上手く読者を引き込んでいき、まっさらな雰囲気を読者に見せました。もし良ければ、感想を教えてください。
小梅先生:とにかく丁寧に描くように心がけていますから、うまく行っていればいいなぁと感じています。手法としては、同じドラマでもいろいろな視点がありますから、ちょっとだけ「視点をずらす」ことで多少変化はつけられると思います。メインの人物を時々変えてみるとか。あとは仕草ですね、漫画の強みはメインのドラマの背後で人物がちょっとした仕草をしているところ(水を飲んだりとか)をテンポを崩さずに表現出来ます。主人公がしゃべっているのを聞きながら、水を飲むヒロインなど。飲み方にも変化をつけるとそこに情報を挿し込むことが出来ます。怒っているとか寂しそうとか。
vermilion:この部分は一番大変でしょう。
小梅先生:腕の見せ所です。漫画描きとして。
vermilion:最近、ヤンデレキャラが流行っています。これについて、ご感想を教えてください。
小梅先生:「ヤンデレ」というジャンルを初めて意識したのが「SHUFFUL!」というアニメのヒロインだったんですが。
vermilion:芙蓉楓ですか。
小梅先生:そうです(笑)、とても好きになりまして。自分でも描いてみたいなぁ、と思っていました。
vermilion:ヤンデレと言えば「壊れ」「闇化」「狂気」、小梅先生にとって、これは挑戦でしょう。作画に関して、黒い感情の表現で特に難しい事はありますか?
小梅先生:豹変後も可愛らしさをちょっとだけ残すことでしょうか。ヤンデレの大事なところは「重過ぎる愛情」だとおもうので、ちょっと可愛いところがあるはずなんですよね。
vermilion:そうですね、豹変後のカワイイ部分はどう表現しますか、難しそうです。
小梅先生:「顔芸」にならないように注意すること…?
vermilion:なるごど(汗)。
vermilion:小梅先生はSF伝奇ノベル『鬼ノ宮』のキャラクターデザイナーです。ご感想を教えてください。
小梅先生:ゲームは漫画と違って、一枚絵が絵本のように連なって出来ていますから。主要なシーンを選び出すところが気を遣う点です。描きたいシーンが山のようにある中から20~30点を選び出すわけです。「鬼ノ宮」では企画原案とシナリオの統括者が別にいますので、二人で悩みました。 とい天津氏は優れたアイディアを出せる人ですが、絵については僕も一言いいたいですから、相談しながら決定しています。
vermilion:なるほど、そういう経緯があったんですか。私は既にサンプル画像を見ましたが、中に過激な表現がありますね。このような作品の作画に関して、特に難しい事がありますか?
小梅先生:人間ではない「鬼」とのセックスシーンがメインになりますから。怖さとエロチシズムがうまく表現出来るように腐心しました。
vermilion:うう、私にとって、あの言葉を言うと、ちょっと無理かも。
小梅先生:「ピー」シーン?
vermilion:はいです。
vermilion:最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。
小梅先生:今後とも宜しくお願いします。機会があればまた台湾に行きたいです!
vermilion:小梅先生お疲れ様です、ありがとうございます。